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TINAMI |
PIXSYS | ピアプロ |
今日は「クール・ジャパン」がらみの記事をご紹介。「クール・ジャパン」に興味のない方は最後のちょっとエロい絵でもどうぞw
政府が「クール・ジャパン」という標語を掲げて久しいですが、私はその動きについてはどうも漠然としたコレジャナイ感がありましたし、ネット上にも同様に疑問の声が時おり見られていたものです。そんな疑問の中身がよくまとまった記事がありました。
ジャパンが日本を野暮にする
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20130321/245393/
この記事もまた「クール・ジャパン」のうさんくささに言及しており、記事の要点をまとめると以下のようなものです。
つまりは、我々が「クール・ジャパン」に対して疑問を持つ理由は、“「カネは出すが口は出さない」という良きパトロンでいてくださいということだ”とこの記事の筆者が揶揄した点で示されるというわけですね。
次に、小倉秀夫弁護士が記したパブリックコメントは、現場で頑張る人間をこそサポートしてほしいという内容。「クール・ジャパン」という言葉の情緒に頼るより、こうした地味な部分のサポートが必要という話の方が議論の価値があります。その内容は以下のリンク先。
小倉秀夫(@Hideo_Ogura)弁護士による「創作のサイクル」維持のために必要なクリエイター自体の保護
http://togetter.com/li/475682
文化がらみのニュースとして、文化庁が「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の普及を支援するというものがありました。元々は文化庁の独自のライセンスシステムの普及を目指していたようですが、予算の低効率性と海外での運用の問題等から廃止を決めたようです。この決定を評価する声が Twitter では多く見られるようです。
文化庁、CCライセンスを支援へ 独自ライセンス構築は断念 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/27/news105.html
また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについては漫画家の赤松健さんが二次創作を認める表示を提案したこともニュースに。
「警察の萎縮効果狙う」 赤松健さん、2次創作同人守るための「黙認」ライセンス提案 (1/2) - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/28/news093.html
最後にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて簡単に説明。これは「著作物の二次利用が可能な範囲を著作者側が宣言する」という考え方にもとづいたものです。通常の著作物は二次利用が可能な条件が表示されていませんので、原著作者が訴えて初めて著作権の侵害が明らかになるという事情があったわけですね。
たとえばブログ「見て歩く者」さんのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスは以下のリンク先のように示されています。
http://www.wildhawkfield.com/p/copyright.html
すなわち、「原著作者の名前を表示することと非営利目的に利用することを条件に、複製や二次著作物の制作が可能」であると示しています。
参考:クリエイティブ・コモンズ・ライセンス - Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA...
なお、赤松健さんが発言していたシンポジウムについては以下のようなレポートも。
文化庁主催 第8回コンテンツ流通促進シンポジウム『著作物の公開利用ルールの未来』に行ってきた - 見て歩く者 by 鷹野凌
http://www.wildhawkfield.com/2013/03/8.html
というわけで。最近描いたイラストを最後に。
なぜか Twitter で変なものが流行っていたので描いてみたのであります。pixiv の関連タグにも凄まじい光景がw
漫画家の佐藤秀峰先生が、「漫画家になれない人たちの言い訳」についてブロマガに投稿していました。
漫画家になれない人たちの言い訳 27個 http://ch.nicovideo.jp/shuhosato/blomaga/ar165601(一部有料)
当該の記事にある通り、以前にも同じ話題で佐藤秀峰先生が Twitter に書いて、そのまとめが作られています。
佐藤秀峰先生の「今まで見てきた漫画家になれない人たちの言い訳」 http://togetter.com/li/298110
「漫画家になるには、何はなくともたくさん描かねばならない」というのは、当を得ていると私も感じています。漫画家になりたい人が漫画家の仕事を得るには、「その仕事をやらせたいと思う人」をまず作る必要があり、たくさん描くことはその近道ですね。
しかし、佐藤先生が書いているように、多くの人にとって絵を描くのは相当な苦行です。何しろ自分がうまく絵を描けないということをこれでもかというほど思い知らされますから。しかも絵を描いている間ずっとです。
中には苦行を苦行とも思わない異常な感覚の人もいますが、そういう人がプロに多いのはよく見る話ですね。そんな人は他人よりもずっとたくさん描くことができるでしょうから、プロになるチャンスも増えようというものです。
苦行を苦行と思わないことにも通じますが、「何が何でも描きたいと思うもの」も必要ですね。それがあればモチベーションが続きやすいです。私が漫画家にならなかった理由のひとつはこの「どうしても描きたいもの」が特になかったからだろうと思ってます。でもそれ以上の原因があって、おそらくそれはこの記事の後半で述べるものです。
さて、Twitter の TL を眺めていると、今回の話にも絡みそうなことをつぶやくツイートが。
好きなことを仕事にしないほうがいいとかよく言われるけど、仕事は毎日のように携わるんだから好きなことのほうがいいに決まってる。心配しないでも本当に好きなことなら、仕事でいくら苦労しても嫌いになんかならない。
— 樹林 伸 (キバヤシ シン)さん (@agitadashi) 2013年3月20日
「好きなことを仕事にしない方がいい」は確かによく言われますよね。私も就活の時に某社の面接で言われました(笑)。この言葉は、上のツイートで述べられてるように「好きなことを仕事にして、そのことで苦労してしまうことになったら、もったいないのではないか」という文脈で使われることが多いものです。しかし、この言葉は実際にはもっと違う文脈を持つべきものではないかと、ふと考えました。
それでは、どういう文脈で使われるべきか。私の考えは「好きなことで仕事をしたいと思っていても、あなたにその仕事をやってもらいたいと思う人がいなかったら、どうしようもないよ」という文脈で語られるべきではないかということです。
先も書いたように、「漫画家をやってもらいたいと言ってくれる人」を作るためにはたくさん描くこと以上にいい方法はないわけです。たくさん描くことで技術が身につくのはもちろんですが、でき上がった作品を見せることほど有効な手段はありませんから。
さて、たくさん描くことは自分でできる(と思われる)努力でありますが、この努力という言葉もまた人を騙すことが多くて、努力以外の壁がやはり存在しています。先に書いた「あなたにその仕事をやってもらいたいと思う人がいなかったら、どうしようもない」に繋がる話です。そのことを述べているのが以下の渡邊芳之氏のツイート。
「努力」だって同じで,「努力した」というのはなにかがうまくいったことを評価する言葉で,うまくいかなければ「努力が足りない」といわれる。しかし努力はもともと「なにかがうまくいったりいかなかったりする原因」ではない。
— 渡邊芳之さん (@ynabe39) 2011年2月9日
じっさい「良い結果になった」ことの原因が「努力したこと」であるという証拠はたいていの場合は存在しない。努力とは運の別名である。
— 渡邊芳之さん (@ynabe39) 2012年6月26日
努力してもダメなことはダメだし,人生は計画通りになどいかないし,でもダメで計画通り行かないことでかえって幸せになることも多いんだよ,ということは子どもに教えると勉強しなくなっちゃうので18歳になってから教える。
— 渡邊芳之さん (@ynabe39) 2011年11月22日
要するに、「たくさん描こうが、漫画家になれない時はなれない」。…まぁ、これも納得行く話です。でも描いてみないと結果は分からない。無情。
当ブログ内参考記事:創作のために必要なもの(精神的な意味で) http://www.dreaming-wings.jp/DWblog.php?itemid=460
今日はとあるブログの話題から。
イラストの料金とは
http://flat.kahoku.co.jp/u/sakuma-drops/4FtgDqYvjMUQ70mazEZk/
つまるところ「イラストの制作は安く見られがちだ」という問題なのですが、これはイラストに対する理解の問題であるとともに経済と社会保障の問題でもあるのではないかと私は見ています。
実際にイラストは社会的には「その程度の価値」ということであり、それならイラストレーターをやめてもっと生産性の高い仕事に就いてもらうほうが、本人にとっても社会にとっても利益があるはずだというわけです。
イラストで相応の報酬をもらうには「代替不可能性」という付加価値をつけて売ることでしょうが、実際のところそんな部分にそんなに需要があるとは思われません。それを見極めることが仕事人には必要ということでしょう。
「イラストレーターをやめてもっと生産性の高い仕事に就いてもらう」ことができないのはどうしてかといえば、日本では「失業」が必要以上に忌避されているからではなかろうかと思います。この部分が日本の低い労働生産性につながってる可能性はないでしょうか。
日本の低い労働生産性については以下のブログ記事でよくまとめられています。
日本人はなぜ仕事の効率が悪いのか?海外と比較して解決策を探す。 http://enjoy-work.raindrop.jp/archives/415
ここまで、私は「もっとカジュアルに失業できるようにしてはどうか」という視点で書いてみました。以下は Twitter に見る別の意見。
協会とか組合みたいなものを作って規格に応じた報酬相場みたいなものを打ち出すべきflat.kahoku.co.jp/u/sakuma-drops…
— 白狼.椛さん (@tenshi41) 2013年3月18日
@urushizawa_t 要するに、ブラック会社の存在は社会保障上の問題ですが、労組的なものを一切作ってこなかった、現状作る気もないこの業界で、現実として生きていくには、誰かが労組を作ってくれるのを待つより、資本主義の歯車にならない道を自分で創っていくのがまず現実的な先決問題…
— 大辺璃 紗季 3/17 SHT ミク04さん (@Saki_Ohenri) 2013年3月18日
確かに組合なり協会は必要かもですね。個人事業から会社法人まで、枠を超えたものが必要ですから…
以下の話も今回の話題に関連してるので紹介。同じ日にこんなツイートを見るとは、すごい偶然です。
どんなに能力の高いデザイナーもクライアントの器以上の働きをすることはできない。もちろんこれはデザインに限った話じゃない。仕事をする人に対する教育より、仕事を出す人たちのための教育の方が重要だし、これから可能性があるんじゃないかと僕は思う/西村佳哲『いま、地方で生きるということ』
— Kento Hasegawaさん (@hasex) 2011年8月28日
さて、「ブログを更新するからには落描きでも何でも絵を載せねば」という呪縛に囚われてるゆえ、載っけるものが見つかって嬉々として以下に掲載する次第。本当は鬼子さんの漫画が載せられるといいのだけど、こちらももチマチマと描いてます。
ありのまま今起こったことを話すぜ! 斬りかかってくるおっさん(twitter.com/urushizawa_t/s…)を描いていたと思ったら水着姿で挑発する女の子を描いていた。現実逃避とか息抜きとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ(AA略 twitter.com/urushizawa_t/s…
— 漆沢貴之さん (@urushizawa_t) 2013年2月18日
年始からずっとやっていた当サイトの改装作業がおおよそ終わりました。
何しろ新しい仕様の CSS を使っていたので IE 8 以前ではまともに表示されないことが分かり、IE 8 での表示を確認するために Windows XP を起動してみたりもしました(IE 9 の開発ツールで IE 7/8 での表示を模擬できることを後で知りましたが)。
しかし、今度はその XP に新しい M/B のドライバをインストールせずに放置していたことが分かり、インストールのために随分と待ち時間をくわされたり。
そういう次第により中途半端に時間ができたので落描きもやってました。
ともかく、改めて貼り付け。XP の復旧待ちの間に描いた落描き twitter.com/urushizawa_t/s…
— 漆沢貴之さん (@urushizawa_t) 2013年2月12日
色々と面倒なことはありましたが、ブラウザごとに読ませる CSS を変える方法を知ったり、IE 9 の開発ツールのことを知ることができたという収穫がありました。
HTML/CSS やブラウザはどんどん新しくなるので、たまにはいじって情報のアップデートをすることが必要。HTML/CSS に限らず情報はすべてナマ物ですね。
Twitter は誰をフォローするかによって TL の様子が全く違うものですが、私は創作系のアカウントを多くフォローしてるだけあってか「絵がうまくなるにはどうすればいいか」など、表現に関わる助言が多く流れてきます。そこで、今日はそうした助言をまとめてみようかと思います。半ば自前の Togetter ですね。
今回取り上げる話は絵描きに限らず表現者全般に言えることが多いのですが、表現者への助言といえば作家の小池一夫氏のツイートをよく思い出します。
描かれた作品が滑稽である事よりも、作品を描かない事の方がずっと滑稽である。(小池一夫)
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 9月 17, 2011
時々、すごい才能の人と出会う事がある。少しだけ描いているのを見ても、まさしく、すごいなあと思う。でも、なぜこの人が作品を完成させてデビューしていかないのか。考えてみると、それは集中力のせいだろうな、と思う。(小池一夫)koikekazuo-characterman.jp
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 2月 26, 2012
一本描き上げるだけの集中力が出ないのだ。長い時間をかけても、途中でやめてしまうンだろうなと思う。集中力は持続力だ。この集中力が弱い人は、いかに才能が優れていても、物書きにはなれない。惜しむべきかな…(小池一夫)koikekazuo-characterman.jp
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 2月 26, 2012
集中力は確かに必要だなと私もよく実感します。それが足りなくて悩んでたりもしますが。以下の記事も最近私の TL で話題になりましたが、これも集中力の大事さを説いているといえるかもしれません。
すごい物を見てもへこたれない人 http://anond.hatelabo.jp/20081117033650
「自分よりも技術のある人間を見ると諦めたくなる人」が多い。しかし、「うまくなれる人」は「どうすればその技術を会得できるか」を考えようとする。ということが上の記事には書かれています。直接的に集中力の重要性を説いてはいませんが、モノを描くことはけっこうエネルギーの要る仕事です。「どうすればその技術を会得できるか」を考えることについても同様でしょう。
そんな大変な仕事をどうしてやろうとするのか。と自問自答したこともありましたが、作家の榊一郎氏の以下のツイートがその答えかもしれません。
大抵の場合に、物書きってのは、原稿掻き上げた瞬間は脳内麻薬どばどばでて解放感半端ないというか、「俺はやったぜ!」的な悦びに満ちあふれたりしている訳で、原稿ハイというかなんというか。なので、終了間際、「終わり」が見えてくると、ニンジンぶら下げられた馬みたいなもんで #sousaku
— 榊一郎さん (@ichiro_sakaki) 12月 8, 2012
自然と加速したりするもんですがね。要するに、書き上げられない人というのは、この脱稿時の快感を知らない、あるいは、そこまで気力が保たない、という場合が多いのでは無いか、と。まあ仮にですが、こう考える。 #sousaku
— 榊一郎さん (@ichiro_sakaki) 12月 8, 2012
この「脳内麻薬」感は私にもよくあるんですよね。絵の完成直前は気分がやたら高揚します。これはいわゆる「ランナーズ・ハイ」に似た現象ではないかと思ったりもします。要するに我々は「中毒患者」なのかもしれません(笑)。実際に「クリエイターズ・ハイ」があるのかどうか、研究した人はいないものかしら?
締めくくりとして、再度小池一夫氏のツイートと漫画家の佐藤秀峰氏のツイートを。
才能は鍛えられない。ただし、集中力は鍛えられる。集中力が鍛えられれば、才能も伸びる。表現者のベースは、才能よりも集中力にある。(小池一夫)live.nicovideo.jp/watch/lv832426…
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 2月 29, 2012
普通の人は、集中力が弱い。スポーツ選手も、集中力を鍛えてこそ、その技を昇華させる事が出来る。アマとプロの差を考えてみたまえ。それは、集中力の差だ。では、どうすれば集中力を高められるのか。(小池一夫)live.nicovideo.jp/watch/lv832426…
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 2月 29, 2012
では、集中力をいつでも出せる様にトレーニングするにはどうするか。机の前に一時間座る。この一時間は、身じろぎもしない。何もしない。ただひたすらに、原稿用紙とにらめっこ。(小池一夫)live.nicovideo.jp/watch/lv832426…
— 小池一夫さん (@koikekazuo) 3月 1, 2012
漫画は才能とかセンスで描くものだと思ってる人が多くて、時々、悲しくなる。良い編集者に出会えれば引き上げてもらえると思ってる人とか。現時点で何者でもないならそれがその人の実力なんだよ。
— 佐藤秀峰さん (@shuhosato) 3月 1, 2012
僕はもう1万枚くらい原稿描いてるし、「才能のある人はいいねえ」とかいう人は同じ枚数を描いてから言ってほしい。たまに毒づきたくなる。
— 佐藤秀峰さん (@shuhosato) 3月 1, 2012
ここで挙げた小池一夫氏のツイートはまとめて出版もされています。『年寄りは弱虫なンかがなれるもンじゃねぇ日記~小池一夫のつぶやき集』がそれ。以前にも紹介しましたが、表現者にとって励みになる言葉ばかりです。とてもお勧め。
当ブログ内参考記事:漫画家を目指す話から仕事のことを考えてみた http://www.dreaming-wings.jp/index.php?itemid=466