2013/03/29 - 00:57
「クール・ジャパン」の話、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の話、「マイクロビキニ」の話
今日は「クール・ジャパン」がらみの記事をご紹介。「クール・ジャパン」に興味のない方は最後のちょっとエロい絵でもどうぞw
政府が「クール・ジャパン」という標語を掲げて久しいですが、私はその動きについてはどうも漠然としたコレジャナイ感がありましたし、ネット上にも同様に疑問の声が時おり見られていたものです。そんな疑問の中身がよくまとまった記事がありました。
ジャパンが日本を野暮にする
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20130321/245393/
この記事もまた「クール・ジャパン」のうさんくささに言及しており、記事の要点をまとめると以下のようなものです。
- 日本の文化を世界に売り込みたいとする「クール・ジャパン」の趣旨とは裏腹に、日本の文化芸術関連予算は国際的に見ても低いレベルにあること。
- 国際舞台を意識した普遍性を重視する戦略などでは、制作者の鋭くひたむきな制作態度を土台にした高い完成度を持つ作品を期待できないこと。
つまりは、我々が「クール・ジャパン」に対して疑問を持つ理由は、“「カネは出すが口は出さない」という良きパトロンでいてくださいということだ”とこの記事の筆者が揶揄した点で示されるというわけですね。
次に、小倉秀夫弁護士が記したパブリックコメントは、現場で頑張る人間をこそサポートしてほしいという内容。「クール・ジャパン」という言葉の情緒に頼るより、こうした地味な部分のサポートが必要という話の方が議論の価値があります。その内容は以下のリンク先。
小倉秀夫(@Hideo_Ogura)弁護士による「創作のサイクル」維持のために必要なクリエイター自体の保護
http://togetter.com/li/475682
文化がらみのニュースとして、文化庁が「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」の普及を支援するというものがありました。元々は文化庁の独自のライセンスシステムの普及を目指していたようですが、予算の低効率性と海外での運用の問題等から廃止を決めたようです。この決定を評価する声が Twitter では多く見られるようです。
文化庁、CCライセンスを支援へ 独自ライセンス構築は断念 - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/27/news105.html
また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスについては漫画家の赤松健さんが二次創作を認める表示を提案したこともニュースに。
「警察の萎縮効果狙う」 赤松健さん、2次創作同人守るための「黙認」ライセンス提案 (1/2) - ITmedia ニュース
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1303/28/news093.html
最後にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスについて簡単に説明。これは「著作物の二次利用が可能な範囲を著作者側が宣言する」という考え方にもとづいたものです。通常の著作物は二次利用が可能な条件が表示されていませんので、原著作者が訴えて初めて著作権の侵害が明らかになるという事情があったわけですね。
たとえばブログ「見て歩く者」さんのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスは以下のリンク先のように示されています。
http://www.wildhawkfield.com/p/copyright.html
すなわち、「原著作者の名前を表示することと非営利目的に利用することを条件に、複製や二次著作物の制作が可能」であると示しています。
参考:クリエイティブ・コモンズ・ライセンス - Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA...
なお、赤松健さんが発言していたシンポジウムについては以下のようなレポートも。
文化庁主催 第8回コンテンツ流通促進シンポジウム『著作物の公開利用ルールの未来』に行ってきた - 見て歩く者 by 鷹野凌
http://www.wildhawkfield.com/2013/03/8.html
というわけで。最近描いたイラストを最後に。
なぜか Twitter で変なものが流行っていたので描いてみたのであります。pixiv の関連タグにも凄まじい光景がw