■ B747■

Boeing 747-400

ボーイング 747 という、有名な機体については多くの説明を要しないでしょう。 大型旅客機の代表格であり、「ジャンボ」 というニックネームはおなじみです。

元々は米空軍の大型戦略輸送機への採用を目指して、ボーイング社が開発した機体でしたが、結果としてロッキード C-5 が採用されたため、民間機へ転用することになったという経緯があります。

1970年に民間機として運用を開始して以来改良が重ねられ、最新型である -400 型は航続距離・ペイロードの増大と搭載電子機器の改良が図られています。


太平洋航空 JA8978

さて、実は今回の CG は夏見正隆先生の小説 『茜のフライト・ログ』 に登場する太平洋航空の B747 の塗装デザインのために作ったものです。

表紙のイラストは 『僕はイーグル』でもおなじみの、鬼頭先生が手がけられたわけですが、自分のデザインした機体が人の手でまた生まれ変わるというのもなかなか面白いものです。 私の CG そのものはカバーの裏表紙に載ったり、章の扉のワンポイントとして使われたりしました。

小説の方はというと、戦闘機パイロットを主人公としていた 『僕はイーグル』 から一転、B747 に搭乗する CA の女の子が主人公です。 夏見先生ならではのタッチで描かれる人間模様は相変わらず面白いです。


Orange Stripe

今回のデザインには色んな案がありましたが、最終的には全日空のデザインをベースにオレンジを基本色にしたようなデザインとなりました。 ヘタに奇をてらうよりは、やはり親近感の持てるデザインのほうがいいでしょうね。

さて、話を変えて -400 型の識別点はというと、確実なのは主翼前縁と胴体との結合部に設けられたフェアリングでしょう。 従来型にはこれがないため、主翼と胴体がまっすぐつながってますが、-400 型では滑らかに整形されています。


Soaring in

主翼端についているウィングレットと呼ばれる小翼も -400 型の特徴ですが、飛行距離の短い国内線などではウィングレットを装備していない -400D 型が用いられているため、確実な識別点はやはり上記のフェアリングとなります。

ウィングレットは、翼端で発生する渦流を抑制し、なおかつその渦流を利用して前方への揚力を得ることによって機体の誘導抵抗を低減するものです。

しかし、国内線など短距離での運行においては、誘導抵抗の低減の効果よりも、ウィングレットを装着することによる重量増加の影響が大きいため、あえて装備しない機体があるわけです。 それでもウィングレットを装備した方が 「カッコいい」ため、短距離の運行でも、あえてウィングレット装備機を飛ばしている所もあるという話があったような、なかったような(笑)。


政府専用機

我が国の首相や天皇陛下が海外を訪問される際にはよく TV に登場するので、おそらく民間の機体に次いで知名度の高い 747 でしょうね。ひょっとしたら航空自衛隊の中で最もよく知られた航空機ではないかと思うのですが、この機体が航空自衛隊所属であることを知っている人はそれほど多くなかったりするのでは…。

ちなみに今回はあまり時間がなかったので、ランディングギアや動翼などのギミックは省略してしまいました。 作っていれば、もっと面白い絵も作れたのですが…。


空の女王の夜

以前から、これだけは作ろうと思っていました。 映画 『エアフォースワン』 に登場する航空機をそっくり日本のものに代えた絵(笑)。

VC-25 は B747-200 が元ですし、F-15J も米空軍の F-15C が元です。 日本版 『エアフォースワン』 を作るならば、さしずめタイトルは 『政府専用機 北○鮮より脱出せよ!』 でしょうか。 リアリティありすぎて怖いですが…。