三菱 F-1 支援戦闘機は、航空自衛隊で対地支援を任務としていた F-86F 戦闘機の後継として、ジェット高等練習機 T-2 を母体として開発された機体です。最初に T-2 の106,107号機を改造したテスト機として「FS-T-2改」を開発、FS-T-2 改は 1975 年に初飛行し、翌年に「支援戦闘機 F-1」として制式名称が決まり、国産初の超音速戦闘機となりました。
T-2 の後席を廃して電子機器室とし、爆撃コンピュータや航法装置の装備、レーダーの換装などが T-2 との主な相違点で、77機が生産、3個飛行隊に配備されました。
現在は F-1 の後継となる F-2 が配備を開始し、国産初の超音速戦闘機は数年のうちに日本の空から姿を消す事になります。
F-1 の主任務は対地・対艦攻撃。本来ならばこの種の航空機は「攻撃機」あるいは「戦闘爆撃機」などと呼ばれるものですが、時の総理大臣であった岸信介が、「自衛隊に爆撃機はいらん!」と発言したのを期に、支援戦闘機という名称となりました。
この首相の発言以前に自衛隊にはその性質や、合憲性という問題があったという事情は周知のとおりで、「戦車」を「特車」、「士官」を「幹部」とするなど(「特車」は現在では使われていませんが)、自衛隊独特の言い換えは「支援戦闘機」に限った事ではありませんね。
F-1 に関しては、「爆撃」や「攻撃」という言葉は他国への侵攻を連想させることを危惧したという側面もありました。
F-1 の平面形は実にスマートです。細長い胴体に、小さな主翼。F-15 や F-4 と見比べると、そのスマートさがより際立って見えます。この形状から察せられるように、F-1 は翼面荷重が高く、挌闘戦には不向きな機体です。そのかわりに同機の主任務である対地・対艦攻撃において、低空飛行する際には安定した飛行特性が得られ、正確な照準が可能になります。
よくイギリスのジャギュア戦闘機と酷似していることが指摘されますが、外形としては F-1 の方がよりスマートです。
Mk.82 500ポンド爆弾を投下。F-1 は最大で12発(通常8発)の Mk.82 を搭載可能で、8発搭載した場合は「8BL」といった表現をします。
F-1 の爆撃能力は、J/AWG-12 火器管制レーダーの他、J/APN-44 電波高度計、J/A24G-3 エアデータ・コンピュータ、J/ASN-1 慣性航法装置等によって得られますが、その精度は高く、共同訓練を行なった米軍のパイロットが、そのあまりの正確さに驚いたという話も伝わっています。
投下された爆弾からの視点で。
市販されている空撮ビデオ等ではよく編隊の解散シーンが見られますが、ブレイクしようと大きくバンクを取った時、F-1 のスマートな平面形が見えると何故かドキリとしたものです。
ある意味、F-1 のシルエットはもっとも戦闘機らしいシルエットなのではないかとも思います。最近流行のステルス機に至っては、どんどん不細工になっちゃってますが、あれはあれで妙に愛嬌があって悪くないなと思ってたり。
日本版の本格的ステルス戦闘機はいったい何十年後になるんでしょうか??
Terragen を使うとこういう光芒をどうやって創ろうか、つい色々と試行錯誤してしまいます。